なめ主

※夜桜の続き的っぽいなめ主。

咲き乱れる夜桜の中、財を尽くした三宮の屋形船を貸し切っての花見。

小野寺に狙いを定めていたはずの隼は、気付けばまた、万里を見つめていた。

「ご主人様」

相変わらず、無口で奇妙な男だった。声など、久しぶりに聞いた気もする。

「……小野寺は、どうした」

最初こそは黙って隼を居ないものとしていた万里だったが、その強い力でしっかりと腕を掴まれ、肩に頬を寄せられてしまえば抗う術はもうないも同然で。

万里の問いかけに、隼は一瞬だけ視線を向こうにやり、それからにたぁ、と笑うと、また万里の肩に頬を擦り寄せた。

「………、」

その視線に恐れながらも、万里が、ギギギ、とまるで錆び付いたブリキのロボットように首を回してそちらを向けば、其処には顔を蒼白にさせながらぐったりと倒れ込む小野寺の姿と、それに寄り添うようにしている五十嵐の姿が。

「……ッ」

そして、自分にしなだれかかる隼を見下ろし、万里の表情はサっと蒼くなる。どんな相手に対しても強気の姿勢を崩さない万里だが、この制御不可能な奇妙な生物――隼ことなめろうだけは、どうしても苦手としていた。
率直に言えば関わりたくないのだ。そもそも自分がこの屋敷に招いたという事すら、深く深く後悔していた。

真っ正面からぶつかることは、得策ではない。自分の持つ権力と、隼の持つ権力は全く違った種類のもので、敵に回すことほど面倒なことはないからだ。

――自分から出ていってくれたならどれだけ良かっただろう。

けれど、この男。例えどれだけ酷い扱いをしようと、ウットリと恍惚の表情を浮かべるだけで、決してこの屋敷から出ようとはしなかった。…それどころか、もっと、もっと新しい刺激を、求めて来る始末だ。

「……チッ」

自分にしなだれかかる隼の、奇妙な色をしたスーツを押し上げて存在を主張するそれに気付いて、舌打ち。
流石に性に奔放な自分であろうと、なめろう相手に欲情する訳がない。隼とは対照的に、全く反応を示していない自身。

「……ご主人様、の」

ハァハァ、と。首筋に熱い吐息を掛けながら、隼は万里の下半身に手を伸ばして、そして優しい手つきで、それを慰める。

「…っ!?な、やめろ…ッ」

暴走族のヘッドらしからぬ、何処までも丁重な手つき。
優しく、そっと快楽の波へと導くように。
だというのに、それは的確に若い万里の雄を、高めていく。

「……」

ごくり。隼の喉が大きく鳴り、じゅわりと万里のズボンを濡らす快楽の証に。とろり、と眸を蕩けさせて、隼は万里の尻へ、自分のすっかりと昂ったそれを押しつけたのだった――。

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にゃんくるさんこれの続きは任せた!丸投げ!