おまけ

自ら片足を持ち上げ、アルバートにすべてを晒すようにしている万里。…もちろんこの体勢はアルバートによる命令であり、万里は自分のすべてが見られている羞恥と快楽に、自分のぐちょぐちょの窄まりへと視線を受ける度に、無意識にそこは収縮を繰り返した。視線を受け、とろりと溢れ出す自身と、収縮の度に溢れ出す情交の証である白濁の欲望。

「ふ、ぐ…ぁア…っ!」

男の出したものと、自身の腸液とが混ざり合ったものが潤滑油となり、大した慣らしもないままにアルバートは今まで万里のナカに埋め込まれていたリモコンよりも一回りも二回りも大きなバイブを埋め込んでいく。

質量の多いバイブが押し込まれ、また、ごぷりと万里のナカを満たしていた精液が溢れ出して。

「…ぅ、…ぁッ」
「tres bien !どんどん溢れて来ますよ」

苦しげに眉を顰め息を吐く万里のことなどお構いなしにアルバートは更に激しく抽送を繰り返すと、回転を掛けるようにバイブでナカを掻き回し始めた。

「…そ、れ…やめッ、お、かしく…なる…っ、」

普段の勝ち気さはすっかりと鳴りを潜め、万里は目元を赤らめてアルバートの抽送と共に身体を揺らす。
言葉とは裏腹に、万里の身体は確かにアルバートから与えられる狂おしいほどの快楽に、悦んでいた。

「…やめる?でも貴方のココはそうは思っていないようだ――」
「ヒ、ぐぁ…アぁ!」

言いながら、喜悦の涎を垂らしながらぱくぱくと小さな口で開閉を繰り返す万里の亀頭に傷つけない程度に爪を立て、アルバートはわらう。

不意に与えられた甘い痛みを伴う快楽に、まるで水揚げされた魚のように身体をぴくんぴくんと震わせながら、万里は呆気なく欲望を吐き出したのであった。

「おや、耐え性のない…でも、まだ終わりではありませんよ」

後ろを攻め立てられながら、亀頭を嬲られ。既に達しているというのに、責める手を緩めないアルバートに、万里はビクビクと身体を震わせて、そして。

「ひっ、ぃ…あっ、さ、さわ…るな…も、おかし、くなるっ、あ、アルバー、トっ!――ぁああああ!!!!」

そうしてビクビクと震えだしたそこから、ちょろちょろと飛び出して来たのはさらさらとした透明の液体。…所謂、潮吹きというやつだ。

「…っ、ぁ…あ…」

気が動転しているのか、まさか自分が潮など噴くはずがないと思っているからか。万里はシーツに飛沫し拡がったそれを視線にみとめ、顔を赤らめた。
いま、万里の頭を占めるのは放尿という羞恥と、それが強烈な快楽を伴うという――事実。それがまたひとつ、万里のナカから大切ななにかを、欠けさせていく。

いっそ狂った方が楽になれるほどの快楽地獄。だというのに、アルバートは近くの戸棚から、なにかを取り出すとそれに大量のローションを垂らし、そしておもむろに万里の屹立した自身の先端へと宛てがう。

「いっ、た…っ、は、…も、やめ…ッ」

狭い口へと突き刺された無機質な棒。拡張されていく自分の身体。激しい痛みを伴うそれに、万里はぼろぼろと涙を流す。

こわい、いたい、苦しい。
先ほどの快楽地獄とはまた違う、純粋な暴力的な痛みに、万里の頭を占める負の感情。だというのに、どうしてか。潮を吹いたばかりの敏感な自身は、可哀相なくらいに痛々しく腫れ上がっていた。

「くすっ…上の口とは違って、身体は素直だな」
「…!?ぁああッ、ン…な、…あくっ…」

イヤイヤと首を振りながらも尿道バイブを突き立てられ、調教され尽くした身体は、それを快楽として拾ってしまう。
万里の意志とは裏腹に更に昂るそれに、アルバートは嘲笑し、非常にもバイブのスイッチを入れ、そして。

「ぬ、…い、っ、これ…おかし、…ぁあああっ!!」
「おかしくなってしまえばいい。……大丈夫ですよ。おかしくなっても、私が最後まで面倒を見て差し上げますから、ふふふ」

大きく目を見開き、声にならない声を上げる万里。
尿道と後孔、そのどちらもから前立腺を攻め立てられ、狂いそうだった。否、或いはもう、狂っていたのかもしれない。

「あっ、ぁ、あッ!い、また、いくッ!!ぬ、…てっ、くれ…っ」

アルバートにより作り替えられた、万里の厭らしいカラダ。
突き刺していたそれを抜くと、先ほどまで突き立てられていた尿道はぱっくりと開き、アルバートはそこを執拗に舌先で責め、更にもう片方の手は万里の後ろへと伸ばしていく。

「っ、ぁ…!」

そうして長い間万里を苛んでいた栓の役目を果たしていたバイブを抜き去ると、万里に尻をこちらに突き出すように向け、うつ伏せになるよう命令する。

ぐちょぐちょに濡れそぼった窄みの口はぱっくりと開き、収縮と共にナカを満たしていた白濁を押し出していて。
万里はシーツに顔を埋め、アルバートに命令されるがまま、そんな恥ずかしい自分のすべてを晒すことしか出来なかった。

「ふふ、こんなに芳醇な香りをさせて……御遣いで、おいしいlaitをたっぷりと頂いたみたいですね」
「…ンっ」

そういいアルバートは、万里の窄まりに顔を寄せて、そして――その誰のともわからぬ濃いミルクを舌で抉るようにして舐めとった。
ずっと待ちこがれていた後ろへの刺激に、万里は思わず自分から尻を押しつけるようにして、もっともっとと求めてしまう。

「…おやおや、大人しく出来ないとは…Je n’aime pas un voyou(悪い子は嫌いですよ。)」

咎めるようなアルバートの声に怯むが、ご褒美を称され、散々焦らされた末の漸くのオモチャ以外の刺激に、万里はつい貪欲になってしまうのだ。

「……そんなに押しつけて……私のが欲しいのですか?」
「…ん…ッ」

肯定とも、喘ぎ声とも取れる短い声を漏らし、万里はまた腰を震わせて。
そんな万里のおねだりに、アルバートは短くふ、と息を漏らすと、万里の窄まりから顔を離し、そうして万里を今度は仰向けの体勢にしてベッドへと押し倒した。

「万里がこんなにも魅力的な恰好をしているから、それもいいかもしれませんね――けれど、Non。」
「な、…んで……ッ」
「ふふ、せっかちな子だ。飽くまでもまだ、ですよ。――もう少し、私を楽しませてくれたら、差し上げますよ、いくらでも」

そう言って自分のものを万里のぐちょぐちょに濡れそぼった自身に宛てがうと、万里はその熱に、思わずアルバートに縋るような潤んだ視線を向ける。
なにをしたら、ご褒美にアルバートをもらえるのか。もはや万里の頭を占めるのは、ただ、それだけだった。

♂ ♂

「 tres bien !」

ぐちょぐちょになった自身に、塗りたくられた生クリーム。後孔には果物を押し込まれ、ぷっくりと腫れた乳首にも同じようにして生クリームが塗りたくられている、そんなあられもない姿。

きっと、普段の万里を良く知る者が見たら、卒倒してしまうくらいの、淫靡な光景。――それが、いまの万里の姿だった。

「……はっ、…相変わらず趣味、わりぃな」
「おやおや、恥ずかしがらずとも良いのですよ…万里だって、こんなに悦んでいるではないですか」

甘ったるいかおりの生クリーム。自身から溢れ出るガマン汁と、体温とでゆっくりと溶けていくそれは、ゆっくりと後ろへと流れていく。

「…チッ、きもちわりぃ…」

べたべたと身体にまとわりつく生クリームが、不愉快で。触れられてすらいないというのに。
悪態を吐くものの、この異様なシチュエーションによる興奮に、万里の息は次第に荒いものに変わっていく。

「これなら、簡単に入ってしまいそうだ」
「…は…?な、にが……、ッア…ぐ」

アルバートは、どろどろになった万里を眺めて、ぽつり、と呟きながら。万里の片足を持ち上げ、肩に乗せそのまま自分の昂ったものを、万里の果物が突き刺さったままの其処に――無理やり押し入ったのだった。

「ぁっ、あ…く、るし…」
「くっ…流石に、きつい…な」

所謂二本挿しと変わらないほどの質量に、散々解された万里ですら、苦しさに顔を歪めて。
けれど次第にその表情も、求めていた熱量を与えられた快楽に上書きされ、蕩けきったものに変わっていく。
アルバートも、すべてを吸い取られそうなほどに締め付けて来る万里のナカを堪能し、思わず舌舐めずりをして。

「……は、本当に…お前は最高だよ、万里」

気を抜くと、今にも達してしまいそうなほどに、とろとろと蕩けきった万里のナカはアルバートのものをねっとりと包み込む。

淫乱なのに、何度組み敷いても何処までも気高いままの万里の瞳が、真っ直ぐにアルバートを見上げて。アルバートもまた、欲望を剥き出しした眸で、万里のことを見つめ返し、激しく腰を振り、互いの身体を貪るかのような獣じみたセックスに興じるのだった――。

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いつも焦らされてばかりのにゃんくるさんへ。

まさに山なしオチなし意味なしな、ちょっとしたおまけ!