主橘

※ねこ橘シナリオの続き

「…ン、んん…ぁっ」

貪るように口付けた橘の舌はいつものものとはまるで違う、ざらついた猫特有のもので。
万里の事を気遣ってか控えめに舌を突き出す橘に、万里はクツクツと喉を鳴らしながら笑った。…相変わらず、思慮深い男である。
その身体は狂おしいほどの熱を持っているというのに、そんな態度など微塵も出さずに、ただその瞳だけが熱く蕩けきっていて。

「…どうした橘、随分と大人しいな?」
「ぁ…も、しわけ…ございま、せ…」

ざらついた舌先と絡ませ合うように何度も何度もキスの雨を降らせながら、橘の尻尾を掴んでその根本をやわやわと扱いてやる。
そうすれば橘はピクンと身体を震わせながら、万里の行為を甘受するようにソッと身を擦り寄せてくるのだ。
戯れに口付ける度、万里の舌先はピリピリと鋭い刺激を覚える。けれど、痛みすら感じるざらついた舌先も、いまの万里には興奮の材料にしかならなかった。

「ン…ふ…ぁ、ご、主人様…」

いつもは涼しい顔をして何事もソツなくこなしてしまうこの男が、自分の前でだけこうして蕩けきった顔で淫らに喘ぐその様が、たまらなく、たまらなく万里の興奮をくすぐるのだ。
みっともなく、けれど決して醜くないその蕩けきった表情。だらしなく開いたままの口端からは唾液が零れ、それは顎を伝い落ちる。

「……あ、」

ぺろり、と舌でなぞるようにしてそれを舐めとってやれば、橘はかあっと頬を赤らめて、長い睫毛を震わせながら伏せ目がちになり、恥じらいの表情を浮かべた。

「……ン、ぁ…ッ」

いつものカッチリとした燕尾服とは違う、黒い下着一枚だけの無防備な姿。
引き締まった身体に指を這わせ、既にプクリと赤く腫れ、興奮の色を示している乳首を指先で捏ね回すようにして愛撫してやれば、橘は快楽に身を捩らせながら万里の首の裏に腕を回し、肩に鼻先を擦り付けてもっと、と甘えるような仕草で強請ってくる。

「……くっく、仕草まで猫になっちまったのか?」
「…ごしゅじ、様…ッ」

唇を重ねあわせながら、乳首を苛めていた腕をゆったりと下へと伸ばせば、ソコは既に苦しいくらいに下着を押し上げ、存在を主張していた。

「淫乱な猫だな」

少し弄ってやるだけで橘は嬌声をあげながら、遠慮がちに万里の手にソレを擦り付けて。
万里の揶揄に、橘は恥じらいながらもムラムラする気持ちを抑えきれないのだろう、内股を擦り合わせながら、切なげに啼いた。

「……ご、しゅじ…様…もう…ッ」
「ふ、全く…仕方のない猫だ…」

耐えきれない、と言った様子で涙ながらに懇願する橘に応えるように、万里は与え続けていた刺激をさきほどとは比べ物にならないほど、確かなものへと変えていく。
下着越しに扱いても、厭らしい水音があたりに谺するほどに、そこはだらしなく涎を垂らし、下着は既にその役目を果たしてはいなかった。

言いながら体勢を変え先ほどまで組み敷いていた橘を、膝の間へと座らせて万里のカラダに背を凭れ掛からせる。

「……そういえば…此処も、敏感なんだったな」
「にゃっ、…ぁあ、ああ…ッ!!!」

下着の中に手を差し入れ、尻尾の根元の部分を優しく扱く。
そうすれば橘はビクンビクンとカラダを震わせながら、大きく身を捩らせた。
そうして尻尾を苛め抜きながら、橘のピクピクと震える耳を食むように唇で挟み、愛撫する。

まるで体中のありとあらゆる部分が性感帯にでもなってしまったかのように。
ありとあらゆる場所を攻められ、たまらなくなった橘は荒く呼吸を繰り返しながら、万里の下腹部に手を伸ばし、自らの痴態を眺めてかすっかりと熱の籠ったソコに指を這わせ、懇願した。

「…ご主人、様…っ、も…う、ガマンできにゃ…っ」

橘が言い終わるより先に、万里は橘に噛み付くようにキスを落とす。
そうしてベッドから降り、すっかりとぐちょぐちょに濡れ下着の役目を果たしていないそれを脱がせれば、飛び出して来た橘の興奮の証に、そっと舌を這わせた。

「……ァあっっ!!」

下着越しとは違うその刺激に、橘は思わず背中を弓ならせ、そうして蕩けきった表情で自らのモノをキャンディでも舐めているように口に含む万里を見下ろし、恍惚の笑みを零す。
この美しい人が、自分のものを舐めていると思うと堪らなかったのだ。それと同時に、自分も万里のものを愛したいという欲望を覚える。

今の舌では万里のものを傷つけるだけで、それがかなわないのがもどかしくて、口寂しくて。
思わず万里の手のひらをソッと掴むと、指に舌を這わせ、1本1本丁寧に、根元まで愛撫した。

ちゅぷちゅぷと、丁重に、時に大胆に咥え込めば、次第にそれが万里自身のものに思えて来て、自分は今、万里のものを奉仕しているのだという錯覚すら覚えてしまう。

「…は、ッ、ぁ…あン、ん…っ」

与えられてる快楽と、与えているはずの快楽。その全てが橘のカラダに熱を籠らせ、堪らなくなって腰をくねらせればそれに気付いたのだろう、万里はクツクツと意地悪い笑みを零しながら、反対の手で橘の尻尾の根元と、ウシロにちょっかいをかけ出した。

「にゃ、ぁン…」
「自分から指を舐め出したと思ったら…ナニ考えてンだよ?」
「……は、ぁ…ご主人、様…ッ」

――もう、我慢できない。触って、ほしい。中を、万里の熱いもので、抉ってほしい。
そんな確かな欲望が橘の頭を占領し、既に限界が近いそれが口をぱくぱくと開閉させ、万里の痺れるくらいの刺激に咽び泣く。限界を告げるように、震えながら、赤黒く変色したそれが解放を待ちわびていて。

「……後ろも全然解してねぇのに、もう準備できてンな。なんだ、俺の部屋に来る前に準備でもしてきたのか?」

クツクツとからかうような笑みと共に、万里はすくりと立ち上がって、橘のカラダを再びベッドの上へと押し倒す。
そして息もつかないほど激しいキスと共に、自らの昂ったそれを、橘の後ろへと押しあてた。

ずっと待ち望んでいた熱を後ろに感じて、橘は期待にカラダを震わせながら万里の背中へと腕を回し、応えるように舌を突き出した。
――それと同時に、激しい圧迫感に頭の中が真っ白になって。

ただただ、求めてやまなかった雄のそれに、橘は鼻にかかったような甘い声を漏らしながら、蕩けきった笑みを万里に向ける事しかできなかった。

田中、遅くなって本当にすまんかった…!
そしてこのキャラの偽具合な……久しぶりに書いたらとんでもなくヘタクソになってしまった><

本当にごめんなさいしか言えないんだけど、書き直してー!とかあったら気軽に言ってくれさい。

最近はしじりより貴方日記の方によく現れるんだけど、これからもよろしくねーー!!